モチベーションを保つ自己管理術4 

名著を要約して紹介しながら、受験で勝利を治めるためのメンタルトレーニングができるコーナー。今回はスティーブン・コヴィ氏『7つの習慣』の第三の習慣について記事を書いていこう。

ここで少し時間をとって、次の2つの質問に対する答えを書いてみてほしい。第三の習慣を紹介するにあたって、大変重要なものになる。

第一問
「もし、常日頃から行っていれば、あなたの私生活の質を著しく向上させる活動がひとつあるとするなら、それは何だろうか。」

第二問
「同じように、あなたの仕事の業績または結果(試験の結果)を著しく向上させる活動がひとつあるとするなら、それは何だろうか。」

復習すると第一の習慣は別の言葉で言えば、「あなたは創造主である。あなたは自分で考え、自分で決められる」ということである。

第二の習慣は、第一の創造、すなわち知的創造(計画立案、材料の選定)を実際に行うことである。つまり、自分の価値観と将来のあるべき姿のビジョンを心に刻み込むことである。

したがって、第三の習慣は、第二の創造、つまり物的創造(計画の実行、素材から作品への二次創造・再創造)を行うことである。前回は、「目的」を見失わないこと。「どこを目指すのか」それを明確にしないままハシゴをかけて登りはじめると、たどり着いたところでそこが本当に目指したところで無いことに気づき、嘆く人が多いことを紹介した。
では、目標、目的、設計図を明確にしたところで、それを実行するにあたってもっとも大事になるのが第三の習慣になる。すなわち、自己管理の原則、「重要事項を優先する」ということだ。限りある時間の中で、時間の使い方、優先順位を間違えてしまえば、結果的に自己管理に失敗し、ミッションに失敗する結果を招いてしまう。

コヴィー氏は、人間の内面(精神)は、自覚、想像力、良心、そして自由意思という4つに分けられると説いているが、自分自身の運命を左右する最も大きな要因となるのが、「自由意思」だとしている。

自由意思という言葉は、もともとは宗教改革の先駆者的存在であるエラスムスが唱えた「自由意志論」、つまり神の被造物である人間は、その精神においては、神の支配を受けることはないという主張だ。つまり神の操り人間としての存在ではなく、自ら選択する存在である、ということなのだが、このようなことを触れないにしても、この記事を読む読者自身も、「自由」、言い換えば「気分」によって毎日の生活が大きく左右されているということを実感するだろう。

この自由をどうコントロールするかが、自分の成功を大きく左右することになる。
受験生であるならば、実感のわく具体例は身近なところに豊富にあることだろう。
明日、英語の小テストがあるのだけど、どうしても観たいドラマがある…とか。
今日は学校でがんばったから、本当は家で○○をやらなければいけないのだけど、少しくらいゲームをしてもいいだろう…とか。
たとえば、夏までに2kg痩せようと思っているけれど、どうしてもこの白玉プリンパフェは食べたい…とか笑
この「自由」によって、誘惑に負けてしまうことが一体人生、どれだけあるだろうか。
筆者はむしろ、全能な神の操り人形になって決して選択を誤ることなく、葛藤に苦しむことなく人生に成功できればどれだけ楽だろうかと思ってしまうこともあるほどだ。
このテーマはもはや受験の域を超えている笑

さて自分をどうコントロールするのか、その鍵となるのがモチベーションだ、という流れで、ではどうやってモチベーションを高い状態に持っていくのか、そのための自己管理術として今まで「7つの習慣」を抜粋して紹介してきた。

この第三の習慣「優先順位をつける」でも、やはり具体的に、自由意思をコントロールする工夫を見出すことができる。その工夫とは、見えない「自由意思、心」に目をやろうとするのではなく、見えない心が見える形となってあらわれる「自分自身の行動、時間の使い道」にアプローチしていくことだ。
「時間を管理する=(自由意思の結果体としての)自分の行動を管理する」という認識を持って、正確に時間を細かく区切って、自分自身把握することから始めてみよう。その際、ただ自分の行動を書きだすのではなく、以下のような分類に従って、把握してみることをすすめる。

(罫線がアップできなかった)
タテ軸に重要、重要でない
ヨコ軸に緊急、緊急でない
4つの領域ができるように線を引いて欲しい。
重要―緊急が第1領域
重要―緊急でないが第2領域
重要でない―緊急が第3領域
重要でない―緊急でないが第4領域

このような表の中に、自分の行動の全てをわけてみる。
朝起きて、顔を洗い、着替える。朝食を食べる。学校へ行く。1時間電車に乗る。6時間の授業があり、その1つ1つの授業がそれぞれ自分にとって質と内容は異なっている。1時間休憩時間になって寝ていることもあれば、1時間スマートホンをいじって終わることもある。また、先生の言葉が胸に響き、必死にノートにメモを残しながら有意義に過ごす授業もあるかもしれない。細かく分析した時に、学校にいる朝8時半から夕方4時までの時間8時間を一体どのように過ごしているだろうか。友達と話す時間、移動する時間、トイレに行く時間。その後予備校に行くまでの時間、帰宅してごはんを食べ、お風呂に入り、肌の手入れをし、残った時間はどれくらいあるだろうか。
上の表には、重要、緊急という軸で分類したが、高校生や浪人生は、自由に選択できる時間が少ない分、幅は小さいかもしれない。しかし、塾にも行っていない休日の場合、これは大きく変わるのではないだろうか。
緊急と、緊急ではないを分けるのが難しい場合は、「強制」か「強制でない」という具合に分けてもいいかもしれない。たとえば以下のようになるかもしれない。

(本当は枠を書いた中にわかりやすく書きたいのだが罫線がわからず)
第一領域(重要であり、緊急・義務・強制である)例
・受験科目と合致した有意義な選択授業
・提出期限のある宿題
・せっぱつまった問題
・病気や事故
・思わぬ災害

第二領域(重要であるが、緊急・義務・強制でない)
・授業の予習、復習
・英語の文法、単語、長文読解。
・世界史の教科書を読む、問題集を解くなど様々な受験勉強、睡眠、食事
・人間関係づくり、健康管理、準備や計画、意味のある気分転換、身だしなみ

第三領域(重要でないが、緊急・義務・強制である)
・退屈で居眠りのための授業
・避けられない来訪者
・必要な移動時間
・雑事、LINEなどにおける無視できないつきあい

第四領域(重要でもなければ、緊急・義務・強制でもない)
・暇つぶし。
・単なる遊び。ゲーム。
・だらだらスマートフォンを使う。
・無駄な電話。
・何もしない待ち時間。
・ぼーっと観るTV。
・不要なアルバイト。

このように分類した後、自分の24時間を割り当てていった時、どこが大きくなるだろうか。さすがに受験生で、第四領域が大きくなるようであっては、成功は難しいのではないだろうか。
このように分類しながら、24時間を正確に、細かく区切って(裂いて)、把握した時に、自分の心がどのように行動にあらわれているかを知ることができる。
そして、その有限な時間を有効に活用するために、第四領域の絶対数を減らし、重要ではないが避けることのできない第三領域の中で隙間時間を活用し、第一領域は「当たり前のことは当たり前にやる」を前提としながら、
【自分次第で大きく変えることのできる、義務ではないが、重要な第二領域】を豊かにしていくことを目指すことが重要になってくることがわかるだろう。

それは必ず「今」やらないといけないことなのか。それは必ず「自分」がやらないといけないことなのか。人に任せることができそうなものはリストアップし、任せることができる相手を書いてみるのも良い。

必ず一週間の計画を立て、その週の役割を目標を書きとめて、具体的な行動計画に移す。
一週間の終わりに、あなたの計画がどれだけ自分の深い価値観と目的を日常生活に反映したものだったか、あるいは自分の価値観と目的に対してどれだけ誠実だったかを評価する。

第一問
「もし、常日頃から行っていれば、あなたの私生活の質を著しく向上させる活動がひとつあるとするなら、それは何だろうか。」

第二問
「同じように、あなたの仕事の業績または結果(試験の結果)を著しく向上させる活動がひとつあるとするなら、それは何だろうか。」

最初の問に書きだした答え、この答えは一人ひとりによって違うものだろう。しかし、この答えが、時間の制約から大きく自由を得て、毎日継続的に実行でき、自分に良いリズムをもたらすようになれば、自分に自信もつき、見通しを持って日々を過ごすことができるようになるだろう。次回以降は、人間関係についての習慣が主となってくる。受験とは関係ないと思える部分も感じるが、親や先生、ライバルであり仲間でもある友人たちとの関係をいかに理想的に築いていくのかという視点で、紹介していこう。


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