先週から、ビジネス書として超ミリオンセラーとなった著書『7つの習慣』を、受験に置き換え、全ての受験生のために特化して要約を紹介している。

今週は、『7つの習慣』の内、第一の習慣「主体的に生きる」について述べていこう。
この本では、「私的成功が公的成功に先立つ」をコンセプトにしており、序盤はいかに個人として成功するかということについて集中的に書かれている。公的成功、私的成功とは何か。受験で言えば、東大に合格した、早稲田・慶応に合格した、という成功の前に、自分自身の怠け、身の回りにある誘惑など内面の成功があってこそ、結果として「合格」など目に見える成功があるということだ。オリジナルの言葉でいうと「官僚になった」とか、「社長になった」とか、年収が「2000万」とか、そのような外的成功よりも、「人格の完成」「自分自身の内なる成長」という私的成功がともなっていないならば、「私」よりも外にある、家庭、学校、会社、地域、国家に対して評価を得たり、貢献することは難しい。順番として、「自分自身を作る」ことに目を向けることが優先されるべきだ、としている。

さて、第一の習慣「主体的に生きる」とはどういうことか。
著者のコヴィー氏によると、その反意語として「反応的」という概念を打ち出している。
反応的な生き方とはどういうことかというと、自分自身に降りかかってくる様々な出来事の通りに、無防備に影響され、振り回されて生きるということだ。たとえば、模試の結果がE判定だったという「刺激」に対して、E判定だから自分には見込みが無い、諦めるしかない、というようにマイナス要因としての刺激の通りに受け止めてしまうことを「反応的」だと定義している。主体的とは、自分がある出来事や刺激に対して、反応を「選択」することができる人間だと悟ることから始まる。

あなたが物事に対して受験勉強に対して、どこまで「主体的」になれているのか、それとも「反応的」に陥っているのかは、あなた自身の言葉を振り返れば見えてくる。
「僕はそういう人間なんだよ。生まれた時からずっとそうだし、変えられない。暗記は苦手なんだ。」
→生まれた時に決定づけられて、自分は何もできない。
「勉強できないよ。自由な時間が少なすぎる。」
→時間という制限にコントロールされている。
「あいつは本当に頭にくる。要領もいいし、いい家に住んで、塾にも通っている。」
→自分ではコントロールできない外の要因が、自分の感情を支配している。
ここで強調しておきたいことは、言葉が「自己達成予言」になるということだ。

主体的になるためには、自分の中に主体的な言葉を持ち、消極的(否定的、環境決定的)考えから主体的(肯定的、前向きな)な考えに変化させていくことが重要になる。
つまり、
・どうしようもない→代替案は無いだろうか
・生まれつきこうだ→他のやり方が選択できる
・あいつはムカつく→自分で自分の感情をコントロールできる。ムカつく場面でムカつくことも、ムカつかないことも自分で選択できる。
・しなくてはならない→自らそうすることに決めた
・○○でないと駄目だ→○○の方がいいと思う。
・○○でさえあったなら→私が○○をする。

ここまで読んで、書いて欲しいものがある。これに関して言うと、受験を超えた部分の話になってくるのだが、まず自分が関心があるものを紙に書き出して欲しい。たとえば、国語、英語、日本史など受験教科の得点アップ、好きな自転車、週1のバイト、好きなドラマ、友人関係、親との関係、先生との関係、部活でやっているサッカー、大学について、将来つきたい仕事について、いろいろ書けるだろう。それを丸い輪で囲む。それを「関心の輪」と定義している。

次に、「関心の輪」に対して、自分が強くコントロールできるもの、積極的に働きかけていけるものを選んで○で囲んで欲しい。多くの人が、関心の輪の内側に、輪ができただろう。それを「影響の輪」という。おそらく、高校生であればというか、若ければ若いほど影響の輪は小さいのではないだろうか。親の保護下や学校の校則下に置かれている分、自由度も低く、思うようにできないと感じている人も少なくないだろう。

さて、ここで重要なことが、自分の意識が主に関心の輪、影響の輪どちらへ傾いているかということだ。自分にとってどうしようもない他人の欠点、被害者意識など自分が影響力を行使できないと思っている影響の輪の外へ向かっているなら、それが消極的なエネルギーとなって次第に影響の輪が小さくなってしまう。逆に主体的な人は、肯定的に考え、自分にどうしようもできない要因、親の収入、自分の暮らし、通っている学校の先生、受けている授業の内容など、左右しがたい環境的な要因(影響の輪の外)ではなく、1つ1つの勉強についての計画、自分の長所と短所の分析、忙しい中での隙間時間の工夫など、自分次第で働きかけることができる、自分で左右できる影響の輪に意識が向かっている。結果として、影響の輪が次第に膨らんでいく。それと共に関心の輪も広がり、自分自身の器がどんどん広がっていく積極的なエネルギーを生み出すことになる。

抽象的でわかりにくい文章になったかも知れないが、核心は何かというと、自分が直面する「全ての問題は影響できる」ということだ。
①自分の行動と関係している問題
②間接的に影響できる問題(自分と関わりある他人の行動と関係している問題)
③まったくコントロールできない問題(誰も影響できない問題、過去のできごと)

①勉強に向かない性格も、人の性格ではない。自分の性格だから、変えることもできる。生まれつきだから変わらない、変えようがない、という時点で、「生まれつき」という考えに縛られていることになる。他の具体例については、読者自身に考えてほしい。自分の行動と関係し、自分が直接左右できることについて。

②たとえば、親が理解を示してくれない。早稲田を受けたいと言っているのに認めてくれない。先生が応援してくれない。先生の授業が受験に対応していない。最終的には、親を説得するためにどうしたらいいのか、それについてはこれから紹介する他の習慣でもヒントになるものは紹介するが、親と話すときの自分の態度、親へ伝える自分からの情報は、変えることができる。親を変えようとする前に、親にとっての刺激である「自分」が変われば、自ずと「反応」も変わってくるかもしれない。

③まったくコントロールできないこと。大学の難易度、出題される入試問題、授業料その他、様々あるだろう。しかしそれに支配されるのではなく、その難易度、合格レベルを突破できるように自分の学力を伸ばすことはできるし、出題される入試問題も、日本で定められている教育の内容を超えて、外国で教えられていることを学ぶとか、突飛なものではないから、訓練すれば、対応できる。1000のうち10しか出てこないとしても、10を不正に知ろうとするのではなく、1000のうち限りなく1000に近いだけマスターできるように、その中のどこが出てもいいように対応していくのが受験勉強ではないだろうか。

以下、『7つの習慣』109ページの内容をそのまま抜粋する。「アルコール依存症連合会という断酒団体があるが、その座右の銘はとても参考になる。『主よ、変えるべき変えられることを変える勇気を、変えられないことを受け入れる平和を、そしてその区別をつける知恵を与えたまえ』

ここで変えるべきことは、自分の喫煙という「習慣」で、変えられないことを受け入れる平和というのは、喫煙を続けると健康を害するということと、経済的負担などのリスクは、どれだけあがいても嫌でも、タバコが健康にいいものにはならない。どうしようもないことを、「何で!」と怒っても仕方がないということだろう。


日々自分の自由の芽を伸ばし続ける人は、徐々にではあるが自らの自由を拡大されることになる。そうしなければ人の自由は枯れていき、やがては自分自身の人生を生きているというより、両親、学校、社会全体が押し付けた脚本に沿って行動しているだけにすぎなくなってしまう。どういう状況に置かれるかは、自分自身の「選択」の責任が大きい。

 サミュエル・ジョンソンは次のように述べている。

「満足の泉はその人の心に湧き出るものでなければならない。自分自身の人格以外のものを変えることで幸福を求める愚かな人は、実を結ばない労力に人生を浪費し、避けようとしている悲しみを倍増させるに違いない」

「モチベーションを保つ」というテーマで連載しているが、今回はモチベーションが上がらない様々な要因に対してどう対処していくのか、その根本的な心の持ち方、とらえ方について、「外的内的要因に左右される反応的な生き方ではなく、自ら肯定的な考えを持ち、肯定的な言葉を発しながら主体的に生きることで、目の前の受験勉強という問題に対して、前向きに積極的な活動エネルギーを発揮できるようにしよう」ということを紹介した。次回、第二の習慣について紹介しよう。






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