「煩悩をどうやったら無くすことができますか?」という真剣な相談を受けることもあるが、どうやったら勉強したく無い時に机に向かえるようになるのか、勉強中に雑念にとらわれないようにするにはどうしたらいいか、「自己管理」ということについて悩んでいる受験生も多いと思う。

受験は「自分との戦い」とよく言われるが、それは何も受験だけに言われることではない。様々なスポーツの試合もしかり、大学生にとっての就職活動や、資格試験もしかり、最近では婚活についてもそうかもしれない。人生の節目には必ずといってもいいほど、「それまでの自分がどうだったか」ということが試されることの連続だ。

このページでは勉強方法や、単に成績を上げるという目先の成功論について述べるのではなく、もっと本質的な成功、つまり、「自分がどんな人間になるのか」という部分について目を向けるきっかけにしていく予定だ。

さて、今回「合格を掴む性格になる」というタイトルで連載していくのは、名著といわれる古典的名著の紹介だ。はじめに、ビジネス書として最高の評価を受けている、スティーブン・コヴィ氏の「7つの習慣」について連載していこう。特に、このシリーズで各書籍のエッセンスを抽出しながら受験勉強に焦点を当ててかみ砕いて紹介しようと思う。

まず、「7つの習慣」の根底にある考え方として、「アウトサイド・イン(外から内へ)→インサイド・アウト(内から外へ)」という発想の転換がうたわれている。どういう意味か説明しよう。状況をとらえる時、もしくは状況に対して働きかける時にどういう方向で認識するのかということだ。具体的に言うと、自分は偏差値が50しかない。早稲田に行きたいのだけど、残り1年も時間が残っていない。判定はE判定だ。そのような状況に自分が置かれている時に「外から内へ」考えの方向が向かっている人は次のように考える。

自分は予備校に行けないが学校の授業は全然ダメだ。先生は教え方も下手だし、自分のレベルとは合っていない。部活もやっていて、高校一年の時からやってきたから最後までやるつもりだが、6月下旬までは続きそうだ。大会前で勉強する時間も一層少なくなりそうだ。家庭はというと、親は高卒で就職したから大学受験について理解は無いし、自分は長男で初めての体験で本当に不利だ。あぁ、自分はなんて不遇なんだろう。いい先生もいなければ、親もどうしようもない。これでは早稲田なんて無理だろうなぁ。そのように、「外にある」要因を中心に、人生に生じる様々な出来事を判断、認識していくことが「アウトサイド・イン(外から内へ)」の生き方だ。

それに対して「インサイド・アウト(内から外へ)」の原則を持っている人は次のように考えるだろう。自分の現在の偏差値は50だ。早稲田にはE判定だがどうしても行きたいと思っている。志望校がはっきりしている時点で勉強をするということに対しては前向きでいるからいい。また、自分は予備校も行けないけれど、自由選択科目が多くなって自由時間が多くなった学校のスケジュールをフル活用して、計画的に取り組もう。英語の単語テストについては面倒くさいが、自分の単語の勉強のペースメーカーもしくは復習として活用することもできるだろう。部活が6月まで続くが、自分は高校一年生から、初心者として吹奏楽部に取り組んできた。慣れない楽器だったが、一生懸命練習して根性と体力はついた自信がある。確かに練習時間は長いが、隙間も時間を合わせるだけでも一日2時間は最低勉強ができる。この忙しい毎日の中で目標を持って過ごせば、引退した時には今の3倍以上のエネルギーを勉強に傾けることができるだろう。親は大学には行っていないが、受験することについては応援してくれる。弟や妹も、まだ大学に行っていないから、比較されない分気楽だ。どうなるかわからないが、最後までやってみよう。このように、外の要因に自分の人生に依存する(左右される)のではなく、自分自身から積極的に肯定的に働きかけていく生き方が、「インサイド・アウト(内から外へ)」の方向だという。

マリリン・ファーガソンは以下のような言葉を残している。
「誰も説得によって人を変えることはできない。すべての人は固くガードされた心の変化の扉を持っており、その扉は中からしか開けられない。説得や感情に訴えることによって他人の扉を外から開くことはできない」のである。つまり、人は誰かによって変化させられるのではなく、きっかけを得た自分自身が、変化の扉を開くことによって変われるということだ。

アポロ11号が月へ行き、初めて人類は月面を踏み、そして地上に戻ってきた。しかし、月に行くまで最も困難な行程はどこだっただろうか。それは、地中を支配する引力を克服し、そこから突破する瞬間にあった。ロケットが上昇する最初の数分間、数キロで必要としたエネルギーは、それから後の数日間、約70万キロに及ぶ旅をするために使用したエネルギーよりはるかに上回るものだった。それと同じように、人間の習慣(性格)も極めて強い引力を持っている。飽きっぽい性格、怠ける性格、ついついエッチなことを考えてエッチなものを見て楽しんでしまう性格、怒りっぽい性格、人の話を聞かない性格、すぐ不平不満を漏らす性格など様々な引力に縛られているのだ。ガンダムを知っている人の言葉で表現すると、「重力に魂を引かれた存在」なのだ。シャアが小惑星アクシズを落として全ての人を宇宙に引き上げ、人類の革新(ニュータイプ化)をうたったように、この「合格を掴む性格」シリーズではまず、「7つの習慣」を紹介しながら、克服すべき性格・習慣を明らかにし、自分を不合格、浪人へと取り残そうとする引力を打ち砕いて欲しいと願う。最後にふざけた表現をはさんでしまったが、いたって真面目に真剣に、週一度のペースで7週間かけて連載しようと思う。「モチベーションを保つ自己管理術」を通して自分の性格と向き合い、実践して、成績向上に生かしてもらいたい。


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