「動機がいかに重要なのか」

志望校に合格する人は一体どんな特徴を持っているのだろうか。
千人単位の受験指導にあたってきた先生に聞いてみた。
以下、インタビュー形式でまとめた合格しやすい性格を紹介する。
Q「受験でうまくいく人と、うまくいかない人、そこに何の差があるのですか?」

A「何をもってうまくいく、というかが問題だけど、苦労しないで自分が行ける大学に行く方法はいくらでもある。少子化で大学全入時代になった今、推薦であっさりと合格を決める人も多い。しかし全入時代と言えど、いわゆる難関大学での競争という部分では、易しくなったわけではない。」

Q「行きたい大学に行けるか、行けないかだとどうですか?」

A「まず、ベネッセなどの進学説明会でいわれることとして、志望校を早めに決めた方が合格率が高くなる、というデータはある。具体的には高校二年生の1月の時点で第一志望がはっきり決まっている人の合格率が80%を超えるのに対し、高校三年生の4月になると65%に落ちるといわれている。目標を早く定めることができれば、その分対策も具体的になり、また勉強する時間が長くなる分、学力を伸ばしやすいということがあるからだと思う。」

Q「目標を持って早く始めるということが大事なのですね。目標を持て無いという悩みをよく聞くのですが、そういう人にアドバイスはありますか?」

A「残念ながら目標を持て無い人、志望校が決まらない人に即効性あるアドバイス、というものはありません。部活なども、監督から無理やりやらされる練習と、選手が納得して意味をわかって取り組む練習では、全く質が異なるのと同じように、勉強も先生や親にやらされでやるのと、本人が望んでやるのでは、結果が全く異なります。現実問題として、大学に行ってから将来の夢を見つける、という高校生も非常に多いし、とりあえず行ける大学へ行く、最後まで勉強して一番偏差値の高い大学を目指すというパターンが一番多いです。逆に言うと、どうしてもこの大学に行きたい、そこで○○をしたい、という目的、強いモチベーションを持った人が、スランプに陥った時ややる気が出ない時、挫けずに最後まで努力することができるという傾向ははっきりしているね。」

Q「勉強のモチベーションを高く持てるかどうかが、受験の合否を分ける鍵になるようです
ね。志望校が決まっている人も、決まっていない人も、やはりモチベーションが下がっ
てしまうことがあると思うのですが、自分のモチベーションをどう維持したらいいので
しょうか?」
A「モチベーションがどういう時に下がるのか分析する、というのも大事かもしれませんね。人によっては、計画を立てたけどその計画がうまくいかなくなって挫折感に陥ってダメになることがあるし、模試で結果が出ずにやる気を失うこともある。また、バイトやドラマなど、勉強以外のことに気を取られていつの間にか机に向かわなくなるなど。そういう、目的を達成することを阻害する要素を見つけて、コントロールしていく力というのが受験生には大事な部分だろうね。」

Q「自己管理ということですね。具体的に良い方法はありますか?」
A「受験勉強は、本人の性格にずいぶん左右される部分があるね。面白いのは、学力という
か、実力が伴っていない人ほど自分を過剰評価していて(自信を持つというのはいいこ
となのだけど)、その自信が災いして逆に怠けになっている場合、どうしようもない。俺は本気を出せば伸びるとか言っているうちに1月になり、焦ってやってみるけど時すでに遅しで終わってみて、「大学受験って厳しいんだね」、なんて言っていることが多々あった。自信が無い方がいいのかというとそうでもなくて、勉強が進まないとか、合格するかどうかとかそういう心配ばかりで気持ちがいっぱいになって勉強が手につかないという子もいる。自分を正しく知るということと、ゴールを正しく知るということが大事なのかな。その2つがよくわかっている時に、具体的にゴールまでの道のりを自分ではかることができるし、そのために時間はどれくらいかかりそうで、どういう努力をしなければならないかわかるから。案外、学校の授業や定期考査はそこまで優秀でないのに、蓋を開けてみたらすごい大学に行きました、というケースも少なくない。また、これは女子に多い傾向があるけど、まじめで優秀だけど、いわゆる一般向きではないということが本人もわかっていて、着実に指定校を選ぶ子もいる。臆病ではあるけれど、それが賢明な選択、ということも実際ある。事実、全国模試など、受験学力をはかるテストに弱い優等生もいる。」

Q「今回のインタビューのテーマなのですが、合格しやすい性格ってありますか?」
A「さっきも言ったように、性格で左右される部分が多いのは確か。でも、正確に表現すると、考え方というか思考パターンというか、意識して変えられる部分もある。事実、受験指導を終えて卒業していく生徒に、「受験で、勝負して、自分は変われた」という言葉をかけてもらうことが何度もあった。」

Q「具体的に教えてください。」
A「第一志望に合格した人も、必ずしも最初から順調だったわけではない。4月の時点でA判定だった、という人は実際少ない。受験勉強をしながら、壁にぶつかることがあれば、その度に相談して、愚痴を聞いてもらって、先生からアドバイスをもらったり、友達と励まし合っていく中で復活して、がんばって強くなって、また壁にぶつかって、また立ち上がって、その連続だった。」

Q「諦めないことが大事、ですか?」
A「そうだね。諦めない、ということは絶対条件だね。それと、さっき書いたことと矛盾す
るけど、楽観的であることも大事。自惚れて、やるべきことを疎かにすることにつながる楽観というのはダメになるパターンだけれど、やるべきことをやることに集中して、その結果については楽観的である、ということかな。もっとカッコいい言い方をするなら、成功を信じて努力を怠らないということだろうね。」

Q「努力は裏切らない、ですか?」
A「努力に関しては、そこは楽観的であったらダメなんだよね。よく、こんなに頑張ったのにダメだった、と嘆いたり、自分の才能の無さを口にする人がいるけれど、本当にモチベーションがある子は、途中でそういうことを口にしないね。まだやりきれていない部分があった、ここを見落としていた。模試が帰ってきた時に、判定とか偏差値のことばかり気にしている子は、感情的になって浮き沈みが出るけど、自分に対して厳しいというか、目的を達成することに集中している子は、冷静に分析して、何が悪かったのか、そこを徹底的に復習しているよ。」

Q「なるほど。ここでもモチベーションという言葉が出てきましたね。」
A「志望校がはっきりしていも、モチベーションというか、心は浮き沈みもあるし、やる気がある日もあれば、無い日があるもの。それをどうするかが、受験生が抱える一番の問題だろうね。」

Q「高校三年生にとってはもう一年もありませんが、1月のセンター、2月の一般入試、3月の国立入試までモチベーションを保つ秘訣はありますか?」
A「秘訣なんて無いだろうね。それがわかってたら落ちる人はいないし、わかってても実践できなかったら成功しないしね。ただ、やっぱり一日一日やっていくしかないでしょう。僕は趣味で登山をするけど、富士山を登ることだって、山頂だけを見ていたら登山は辛い。ひたすら高い、ひたすら遠いからね。雲で山頂が見えない時もあるし。登山の面白さは、過程にあるでしょう。雲を見下ろす時もあれば、高さと共に植生する木々も変わっていくし。一緒に上る友達と腰を下ろしてお茶を飲んで話すこともあれば、山小屋でカレーを食べる時もある。ご来光を見ようと思って夜中に出発したところ、ふもとの花火大会を見下ろすこともあれば、満天の星空と、空に流れる天の川を運が良ければお目にかける時もある。そうやっているうちに、頂上に着く。受験も同じでしょう。4月には4月にやることがあり、5月には5月、夏休みには夏休み、それぞれ、やるべきことがあって、それは一人ひとり違う。理想の勉強法とか、理想の参考書とか、確かに、セオリーとか、共通性、いいものはいいと部分もあるけれど、それは人によって違ってくるのではないかと個人的には思ってる。ただ、途中途中いろんな試練があるけれど、最後の目標を失わず、その時その時やるべきことに集中している人が、最終的には成功しているように思える。」

Q「ありがとうございました。受験以外でも言えそうな話ですね。」
A「自分の時もそうだったけど、大学4年間の全てを合わせても、受験生時代に勉強した時間には及ばないんじゃないかというくらい、大学受験は勉強した、という人が多い。まぁ、自分の周りはそうということだけど。それくらい「あの時は勉強した!」といつ振り返っても言える時代があるというのは、人生の中でプラスになるんじゃないかなと思う。」


今回のインタビューで、モチベーションを保つ、自己管理をすることの重要性がわかりました。次回からは名著「7つの習慣」からエッセンスを抜粋しながら、受験勉強に特化してシリーズで連載していきます。







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